プレスリリース テンプレートの作り方と実践例を徹底解説

プレスリリースを書こうとして、真っ白な画面の前で手が止まった経験はないでしょうか。伝えたい内容はあるのに、どこから書き始めればいいのか、どんな構成にすればメディアに取り上げてもらえるのか、悩む方は少なくありません。個人的な経験では、広報業務に携わり始めた頃、テンプレートの存在を知らずに一から作成して何度も書き直した記憶があります。実は、プレスリリースには「型」があり、その型を理解してテンプレートとして活用すれば、誰でも効率的にメディアへ情報を届けられるようになります。

この記事では、プレスリリースの基本構成から目的別テンプレート、さらにはメディアに読まれるための実践的なコツまでを網羅的にお伝えします。

この記事で学べること

  • プレスリリースは6つの基本構成要素で成り立っており、A4用紙1枚が基本フォーマット
  • タイトルは約30文字以内、リード文は約500文字が記者に読まれる最適な長さ
  • 新商品・イベント・業務提携など目的別テンプレートで作成時間を大幅に短縮できる
  • PR TIMESでは46種類のテンプレートが用意されており、組み合わせて活用可能
  • メディアに無視されるプレスリリースには共通する5つの失敗パターンがある

プレスリリースの基本構成と6つの必須要素

プレスリリースには、メディア関係者が求める情報を過不足なく伝えるための「定型構成」が存在します。この構成を理解することが、効果的なテンプレート活用の第一歩です。

どの業界のプレスリリースであっても、基本的に以下の6つの構成要素で成り立っています。これらを正しい順序で配置することで、記者が短時間で内容を把握できるプレスリリースが完成します。

ヘッダー部分の構成

プレスリリースの最上部に配置するヘッダーには、企業ロゴ、発信日、「プレスリリース」の表記、そして「報道関係者各位」の宛名を記載します。この部分は一見シンプルですが、メディア関係者が最初に目にする箇所であり、文書の信頼性を左右する重要な要素です。

日付は西暦と和暦のどちらでも構いませんが、社内で統一しておくことをおすすめします。

タイトルとサブタイトル

タイトルはプレスリリースの命ともいえる部分です。目安は約30文字以内で、ニュース性を含む一文で完結させます。

ニュース性とは、具体的には以下の4つの要素を指します。

新規性(業界初、日本初などの新しさ)、トレンド性(時代の流れに合致しているか)、独自性(他社にない特徴)、社会性(社会課題との関連性)。これらのうち少なくとも1つをタイトルに盛り込むことで、記者の目に留まりやすくなります。

サブタイトルはタイトルを補完する役割を担い、タイトルで伝えきれなかった情報を補足します。

リード文の役割と書き方

リード文は、プレスリリース全体の要約です。約500文字(2〜3行程度)で、プレスリリースの結論と基本情報をすべて盛り込みます。

経験上、忙しい記者はリード文だけで記事化するかどうかを判断することが多いです。「誰が」「何を」「いつ」「なぜ」「どのように」の5W1Hをリード文に凝縮させることが、メディア掲載率を高める鍵となります。

本文の構成ポイント

本文では、リード文で述べた内容をより詳しく展開します。開発背景やサービスの特徴、具体的な利用シーン、解決する課題などを論理的に記述していきます。

ここで大切なのは、1つのプレスリリースにつき1つのテーマに絞ること。複数のテーマを詰め込むと、何が伝えたいのかが曖昧になり、記者が記事にしづらくなります。

会社概要と問い合わせ先

プレスリリースの末尾には、正式な会社名、所在地、代表者名、設立年、事業内容を含む会社概要を記載します。続けて、担当部署名、担当者名、電話番号、メールアドレスなどの問い合わせ先を明記します。

記者が追加取材をしたい場合に、すぐに連絡が取れる状態にしておくことが、メディア掲載への最短ルートです。

1

ヘッダー

ロゴ・日付・宛名を配置

2

タイトル

約30文字でニュース性を凝縮

3

リード文

約500文字で全体を要約

4

本文

背景・特徴・詳細を展開

5

会社概要

正式名称・所在地・代表者

6

問い合わせ先

担当者名・電話・メール

目的別プレスリリーステンプレート

プレスリリースの基本構成と6つの必須要素 - プレスリリース テンプレート
プレスリリースの基本構成と6つの必須要素 – プレスリリース テンプレート

プレスリリースは発表内容によって最適な構成が異なります。ここでは、よく使われる3つのタイプについて、すぐに活用できるテンプレートをご紹介します。

新商品・新サービスリリースのテンプレート

新商品や新サービスの発表は、プレスリリースの中でも最も一般的なタイプです。これまでの取り組みで感じているのは、開発背景のストーリーをしっかり書くことで、記者の興味を引きやすくなるということです。

以下が、新商品リリース用テンプレートの基本構成です。

📄

新商品リリース テンプレート構成








新商品リリースで特に重要なのは、「なぜこの商品を作ったのか」という開発動機と、「どんな課題を解決するのか」というユーザー視点の説明です。単なるスペック紹介ではなく、ストーリーとして伝えることで、記者が記事にしやすい素材を提供できます。

イベント告知のテンプレート

イベント告知のプレスリリースは、開催概要を正確に伝えることが最優先です。

構成としては、タイトルにイベント名と開催日を明記し、リード文でイベントの趣旨と概要を伝えます。本文では、イベントの背景、見どころ、登壇者情報、参加方法を順に記載します。末尾には、日時・場所・参加費・定員・申込方法・URLをまとめた「開催概要」を表形式で掲載するのが一般的です。

経験上、イベント告知は開催の2〜3週間前に配信するのが最も効果的です。早すぎると忘れられ、遅すぎるとスケジュール調整が間に合いません。

業務提携・資本提携のテンプレート

業務提携のプレスリリースは、両社の情報を正確かつ公平に記載することが求められます。

タイトルには両社名と提携の目的を盛り込み、リード文で提携内容と期待される効果を簡潔に述べます。本文では、提携の背景、各社の強み、具体的な協業内容、今後の展望を記載します。会社概要は両社分を記載し、問い合わせ先もそれぞれ明記するのが基本です。

提携先との事前確認を必ず行い、双方の承認を得てから配信しましょう。一方の企業だけで発表してしまうトラブルは、実際によく耳にします。

💡 実体験から学んだこと
以前、業務提携のプレスリリースで相手企業の承認前に配信準備を進めてしまい、直前で大幅な修正が必要になったことがあります。テンプレートがあっても、関係者間の確認プロセスを事前に決めておくことが何より大切だと痛感しました。

プレスリリースの書き方で押さえるべき実践ポイント

目的別プレスリリーステンプレート - プレスリリース テンプレート
目的別プレスリリーステンプレート – プレスリリース テンプレート

テンプレートの構成を理解したら、次は実際に書く際の品質を高めるポイントを確認しましょう。プレスリリースの書き方の基本を踏まえたうえで、さらに一歩踏み込んだコツをお伝えします。

読みやすさを左右する文章のルール

プレスリリースは記者が読むものですが、その先には一般読者がいます。そのため、業界用語や社内用語を避け、中学生でも理解できるレベルの平易な文章を心がけます。

過度な敬語表現も避けるべきです。「弊社が開発いたしました新商品をご紹介させていただきます」のような文章は冗長で、記者にとっては編集の手間が増えるだけです。「〇〇株式会社は、新商品「△△」を発売します」のようにシンプルに書く方が好まれます。

また、画像や図表を活用して視覚的な説得力を高めることも効果的です。特に新商品のプレスリリースでは、高解像度の商品画像を添付することで、メディア掲載の可能性が大きく高まります。

タイトルの良い例と悪い例

タイトルは約30文字で勝負が決まります。実際にどのような違いがあるのか、比較してみましょう。

良いタイトル例

  • 業界初、AIが自動生成する議事録ツール「○○」を4月発売
  • 導入企業の残業時間30%削減、勤怠管理サービス「△△」提供開始
  • ○○社と△△社が物流DXで業務提携を締結

悪いタイトル例

  • 画期的な新商品のお知らせ(具体性がない)
  • 弊社の素晴らしいサービスについて(主観的すぎる)
  • 新サービス発表と今後の展望および業績報告(テーマが複数)

良いタイトルには、具体的な数字や「業界初」などのニュース性を示す要素が含まれています。一方、悪いタイトルは抽象的で、何が新しいのかが伝わりません。

フォーマットと体裁の基本仕様

プレスリリースの体裁にも標準的なルールがあります。

ファイル形式はWordまたはPowerPointが一般的で、用紙サイズはA4、本文は1ページに収めるのが基本です。補足資料がある場合は、別途1〜2ページを追加します。

デザイン面では、タイトルを大きく見やすいフォントで表示し、ヘッダーまたはフッターに企業ロゴを配置します。装飾的な罫線や過度なデザインは避け、情報の読みやすさを最優先にしましょう。

プレスリリース作成に活用できるツールとプラットフォーム

プレスリリースの書き方で押さえるべき実践ポイント - プレスリリース テンプレート
プレスリリースの書き方で押さえるべき実践ポイント – プレスリリース テンプレート

テンプレートを手作りする方法もありますが、既存のプラットフォームを活用することで、作成効率を大幅に向上させることができます。

PR TIMESのテンプレート機能

日本最大級のプレスリリース配信プラットフォームであるPR TIMESでは、46種類のテンプレートが用意されています(2024年8月時点)。

これらのテンプレートは発表目的別にカテゴリ分けされており、キーワード検索にも対応しています。目的、タイトル、サブタイトル、本文の各項目に対して自動入力機能が備わっているため、初めてプレスリリースを書く方でも迷いにくい仕組みです。

注目すべきは、複数のテンプレートを組み合わせて使える柔軟性です。たとえば、新商品発表のテンプレートをベースにしつつ、イベント告知の要素を加えるといった使い方が可能です。

WordやPowerPointでの自作テンプレート

PR TIMESなどの配信プラットフォームを利用しない場合は、WordやPowerPointで自社用テンプレートを作成するのが一般的です。

個人的にはWordを使用することが多いですが、ビジュアル要素が多い場合はPowerPointの方が自由度が高く、使い分けています。一度テンプレートを作成してしまえば、次回以降は内容を差し替えるだけで済むため、作業時間の短縮につながります。

プレスリリースの基本を理解したうえでテンプレートを作成すれば、社内の誰が書いても一定の品質を保てるようになります。

AI活用による作成支援

近年では、ChatGPTなどのAIツールをプレスリリース作成の補助に活用する動きも広がっています。

ただし、AIが生成した文章をそのまま使用するのは推奨しません。AIは構成案の作成や文章の推敲には有効ですが、自社独自の情報や数値データ、開発ストーリーなどは人間が責任を持って記述する必要があります。あくまで「下書き支援ツール」として位置づけ、最終的な確認と編集は必ず人の手で行いましょう。

💡 実体験から学んだこと
AIで下書きを作成してから人間が編集するフローを試したところ、作成時間が従来の約半分になりました。ただし、AIが生成した「もっともらしいが不正確な表現」を見落とさないよう、ファクトチェックの工程を省略しないことが重要です。

メディアに無視されるプレスリリースの共通点

多くの方が見落としがちですが、テンプレートを使っても効果が出ない場合、以下のような失敗パターンに陥っていることがあります。

よくある5つの失敗パターン

⚠️
メディアが敬遠するプレスリリースの特徴
1. 宣伝色が強すぎる — 「画期的」「革命的」などの主観的表現が多用されている
2. ニュース性が不明確 — 何が新しいのか、なぜ今なのかが伝わらない
3. 情報が不足している — 価格、発売日、販売方法など基本情報が欠けている
4. 複数テーマの混在 — 新商品発表と決算報告が同じリリースに入っている
5. 誤字脱字・変換ミス — 基本的なミスがあると信頼性が大きく損なわれる

これらの失敗は、テンプレートの構成を守るだけでは防ぎきれません。配信前に第三者の目でチェックする工程を必ず設けることをおすすめします。

配信前の最終チェックリスト

プレスリリースを配信する前に、以下の項目を確認しましょう。

配信前チェックリスト








テンプレートをカスタマイズする実践的なワークフロー

テンプレートはあくまで「出発点」です。自社の強みや発表内容に合わせてカスタマイズすることで、より効果的なプレスリリースに仕上がります。

カスタマイズの3ステップ

まず、目的の明確化から始めます。今回のプレスリリースで最も伝えたいことは何か、ターゲットとなるメディアはどこか、読者にどんな行動を取ってほしいのかを整理します。

次に、テンプレートの選択と組み合わせです。発表内容に最も近いテンプレートをベースに選び、必要に応じて他のテンプレートの要素を取り入れます。たとえば、新サービスの発表にイベント告知を組み合わせるケースは非常に多いです。

最後に、自社独自の情報を肉付けします。テンプレートの枠組みに沿って、開発背景、具体的な数値データ、ユーザーの声、今後の展望などを追加していきます。

記者目線でのブラッシュアップ

完成したプレスリリースを「記者の立場」で読み返してみることも重要です。

記者が求めているのは、そのまま記事にできる素材です。つまり、客観的な事実、具体的な数字、わかりやすい説明、そして高品質な画像素材です。「自社がどう見られたいか」ではなく、「記者がどう書きやすいか」という視点でブラッシュアップすると、メディア掲載の確率が格段に上がります。

広報活動全体の中でプレスリリースを位置づけ、広報戦略と連動させることで、単発の配信ではなく継続的なメディアリレーションの構築につながります。

プレスリリーステンプレートに関するよくある質問

プレスリリースのテンプレートは無料で手に入りますか

はい、多くのプレスリリース配信サービスが無料テンプレートを提供しています。PR TIMESでは46種類のテンプレートが利用可能です。また、WordやPowerPointで自作する場合も、この記事で紹介した構成要素に従えば、無料で効果的なテンプレートを作成できます。まずは基本の6要素を押さえたシンプルなテンプレートから始めてみることをおすすめします。

プレスリリースの最適な長さはどれくらいですか

本文はA4用紙1枚に収めるのが基本です。補足資料や参考情報がある場合は、別途1〜2ページを追加します。リード文は約500文字、タイトルは約30文字が目安です。情報を詰め込みすぎるよりも、核心を簡潔に伝えることの方がメディアには好まれます。

テンプレートを使うとどの企業も同じようなプレスリリースにならないですか

テンプレートはあくまで構成の「型」を提供するものです。自社独自の開発ストーリーや具体的な数値データ、ユーザーの声などを盛り込むことで、テンプレートを使っていても独自性のあるプレスリリースに仕上がります。むしろ、構成が整っている方が記者にとって読みやすく、内容に集中してもらえるという利点があります。

プレスリリースを配信するタイミングはいつが良いですか

一般的には、平日の午前中(10時〜11時頃)が記者に読まれやすいとされています。月曜日は週初めで忙しく、金曜日は週末前で対応が難しいため、火曜日から木曜日がおすすめです。イベント告知の場合は開催の2〜3週間前、新商品発表の場合は発売日の1〜2週間前が目安です。ただし、速報性が求められるニュースの場合はこの限りではありません。

プレスリリースとはそもそも誰に向けて書くものですか

プレスリリースの直接の読者はメディアの記者や編集者です。しかし、その先には一般の読者がいることを忘れてはいけません。記者が記事にしやすい客観的な情報と、一般読者にも伝わる平易な表現の両方を意識して書くことが大切です。自社の宣伝文ではなく、「ニュース素材の提供」という意識で作成すると、メディアに取り上げられやすいプレスリリースになります。

まとめ

プレスリリースのテンプレートは、効果的な情報発信のための強力なツールです。6つの基本構成要素(ヘッダー、タイトル、リード文、本文、会社概要、問い合わせ先)を理解し、目的に応じたテンプレートを活用することで、作成の効率と品質を同時に高められます。

大切なのは、テンプレートに頼りすぎず、自社独自の情報やストーリーをしっかりと盛り込むことです。構成の「型」を守りながらも、記者が記事にしたくなるような具体性と独自性を追求していただければと思います。

まずは本記事のテンプレート構成を参考に、一つプレスリリースを書いてみてください。最初から完璧を目指す必要はありません。書くたびに改善を重ねていくことで、メディアに響くプレスリリースが作れるようになっていくはずです。