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世界中に生きる力を!全身麻痺で生き抜く姿を追った命のドキュメンタリーを、世界の映画祭へ!

ドキュメンタリーのはじまりの話

2013 年 12 月 21 日 15:38

Hanae Uchida
Hanae Uchida
当時映画の制作会社のいち社員だった私が、塚田宏さんとご家族に始めてお会いしたのは2007年のことです。
5年もの年月ですが、「たった5年」と思えるほどの時間を過ごして来た気がします。

その時すでに、宏さんは声を失い、表情も失い、目の動きしか自分の意思を出せるところの無い状態。それでも自分が生きている状態を記録したい、という思いを持っていました。
そして宏さんの闘病生活は、私の人生の長さとほとんど変わらない年数でした。

ジャズが大好きで、音楽業界に友人の多いご夫婦は、例えば録音で何か記録を残す事はできないかと考えました。
そのひらめきを友人に話してみたことが、すべての始まりです。

音を録るなら、どんなものがいいか。
それならむしろ、映像の方がいいんじゃないか。
映像なら、だれか作れる人がいるだろうか。
…そうして知り合いを回り回って、私のいた会社に社長の知人から電話が入ったのです。
私に合いそうだと思った社長から、まず、会ってみる?と聞かれたのだと思います。

まずはお会いすることになり、自宅へ伺いました。
ジャズのレコードがかかる部屋に宏さんはいらっしゃいました。
「初めまして」
目が合っているけれど、宏さんはニコリともできません。
奥様公子さんが、「握手して」と掛け布団の中から宏さんの手を取り出しました。
握手から伝わって来たのは、手の温度、皮膚の柔らかさ。
「生きてるんだよ」「あなたが見えるよ、聞こえるよ」
言っているように、私には思えました。

すると、ひらがなで50音がプリントされた透明のボードを公子さんが宏さんの前にかざします。
「こ・ん・に・ち・わ」
「よ・ろ・し・く・お・ね・が・い・し・ま・す」
宏さんの目が追う文字を一文字ずつ読み取って代弁する公子さん。
いつも、こうしているんだな、とその慣れた様子から感じられます。

動けない、話せない、そんな宏さんをどういう形で映像にできるのか、ご自身が記録を残したいのだとは言え、何かできないかと考えました。塚田ご夫婦には私のそれまでの制作物を見てもらい、私にその制作を任せるかどうか検討してもらいました。

これが前作「動かない体で生きる私の、それでも幸せな日常」の始まりです。私と塚田家の出逢いの日でした。

塚田家には、大量の写真がありました。
宏さんと公子さんの結婚当時から現在にいたるまで。
また、宏さんの指がまだわずかに動いていた時に付けていたワープロの日記も。
残念だったのは、声や、動画での記録が何も無かった事です。
私は全てを拝見し、それらの記録と自分の想像力をフル回転で、宏さん自身になろうとしました。

それから半年ほどの時間をかけ、前作は完成しました。
声を出せない宏さんの声を聞こえるものにしたいと思い、全てのナレーションは宏さんの言葉にしました。台本確認の往復を何度も繰り返し、原稿は完成しました。その声の役を引き受けてくださったのが原田芳雄さんでした。

完成から1年半ほど後、スイスのバーゼルと言う町で開催される映画祭から連絡を頂きました。
それが、今仕上げようとしている長編作品の始まりとなったのです。

このお話を、また後日お伝えしたいと思います。


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